2014年10月10日金曜日

人づくり研修に行ってきました。〜山仕事の基礎と技を学ぶ・手工具、下刈り編〜

山口です。

山仕事歴50年という大ベテランの小机先生による研修を受けてきました!
初日は鎌の研ぎ方や扱い方など手工具について教えて頂きました。

研ぎ方のコツを覚えるにはやはり目の前でお手本を見ながら実践するのが一番です。
インターネットで調べたり人から聞いた情報を元に試行錯誤してもなかなか切れるようにならなかった刃が見違えるほどに切れるようになりました。

先生の鎌を拝見させて頂いたところ随所に工夫が施されていて驚きました。柄の部分の木は自分で切った杉を加工しているため、かなり長めにも関わらずとっても軽く、絶妙なカーブが施されていて使いやすい!刃も段違いに薄く、刃の中央部分だけ反りと反対方向に反っていました。ほんの少し刃を葉っぱに当てて引くだけで千切りキャベツの様に細かく切れてしまいます。。。どんなメーカーの技術でも実績に基づいた職人技には敵わない事を知りました。

続いて下刈り。刈払い機を小机先生の見よう見まねで動かしてみます。
自分で刈った跡を見るとまぁお粗末なもので刈った高さがバラバラで借り残しもチラホラ。
様子を見ていた先生から頂いたアドバイスはシンプル。
刈り払い機を構える姿勢と歩き方を安定させる事。その2点を意識しただけで格段に奇麗な仕上がりになりました。進歩とはいえまだ一日下刈りをしただけなのでまだバラバラ。まずは仕事の丁寧さを念頭に体に覚えさせて少しずつスピードを上げて行こうと思います。


空いた時間に一緒に山を歩き、様々な痕跡から紐解く動物達の動きの解説が面白い!
たとえばこの龍のヒゲという短い雑草。

道の途中に一カ所だけ不自然に生えていた。
実はこれイノシシが運んで来たもの。
イノシシが食べた物の中にあった種が消化されずに糞となって出て来て道に転がり、雨に流され道の低いところに転がり芽を出したらしい。
雑草一つから様々な生き物のストーリーが垣間見える。山は自然の知恵の宝庫のようだ。


下刈りをしていた檜の採種林の地面にはマメツタがびっしり生えていた。
先生はあえてその上に生える草だけを刈る。
マメツタを残す事で地面に余分な雑草が生えない。実際に長い事下刈りをしなかったそうだが寝転べるほど奇麗なマメツタの絨毯だけができていた。
更に地面や檜の皮が日光から守られ乾燥を防ぐ、手間もかからず人も檜も大喜び。
雑草は初めから敵ではない。上手く見方につければとても心強い。
知恵を使って人が上手く調和を取る事で自然がより生き生きする事も多々。

山を知り尽くした先生の言葉には環境との共存のヒントが詰まっている。

山仕事の奥深さにどんどん引き込まれていると改めて実感しました。

帰りに小机邸にお邪魔して更に道具や山の知恵を披露して頂きました。
いくら時間があっても足りないほど胸熱くなるお話を聞かせて頂きました。
自宅でとても素敵な喫茶店もやっているそうなので次はもっとゆっくりしたいと思います。

興味ある方は是非!→ http://club.machipre.net/blog/archives/517


研修は残すところ8日。出来るだけ多くを吸収して行きたいと思います。

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