2014年6月28日土曜日

伐り捨て間伐

大分、前の記事から時間が経ってしまいました(-_-;)こんにちはナベです。
今回のテーマは間伐、とりわけ伐り捨て間伐についてお話したいと思います。



間伐と言うとその言葉の定義はいろいろあるようですが、大きく分けて利用間伐と伐り捨て間伐の二種類があります。利用間伐は切った木を山から出し、材として利用しますが、伐り捨て間伐は伐った木は山に残していきます。伐って捨て置くから伐り捨て間伐。
ちなみに東京で間伐と言ったらたいてい伐り捨て間伐を指します。それだけ多く伐り捨て間伐が行われているんですね。木林士も行っている間伐は伐り捨て間伐です

さて、この伐り捨て間伐、”せっかく利用できる木を山に放置するのは勿体ない”とか、”そのまま腐らせてはCO₂の発生源だ”などの意見も多く、あまり良いイメージがありません。
確かにせっかく使える木をそのまま捨てるのがもったいないという気持ちはよくわかります。どんな木であれ何十年もかけて多くの人たちが汗を流し働き、育て上げた木を利用せず伐り捨てていくのは実際心苦しいものです。しかも暑い時期に伐ると残していった木に害虫が卵を産み、害虫が繁殖してしまうということもあるようで、そういったリスクも伐り捨て間伐にはあります。

そしてなによりこの伐り捨て間伐は補助金、つまり税金を使って行われているのがほとんどです!
そうなると”税金を使ってわざわざ木を無駄にするようなことをしているのか!”と思う方も多いんじゃないでしょうか。もったいないしCO₂も出しちゃうし、害虫まで繁殖させちゃうしで悪いことだらけなんだからそんなことに税金使うのは無駄だと思いますよね。そんな無駄は仕分けるべきだ!って思いますよね。でもそのためにはまず伐り捨て間伐のことをもっと知らないといけないですよね。え?伐って捨ててるだけのことじゃないのかって?そんな単純なものではないんですね伐り捨て間伐は。


というわけでこれから何回かにわたって伐り捨て間伐というテーマでお話してきます。
・・・・え?そうですよ、今回はこれでおしまいですよ。・・・次回にご期待くださいw

2014年6月7日土曜日

ナタ研ぎ!

お久しぶりです。清です。

最近、現場ではナタを持ち歩くようにしています。

この仕事に就く前は山師と言えばいつでもナタを腰にぶらさげているようなイメージがありました。
が、実際は(少なくとも現在までに木林士が受けた)東京都の枝打ちの仕事では主にノコギリや小型のチェーンソーが使われる為、ナタをメインに使う作業は今のところありません。

ただやはり山の中ではちょっとしたボサ(雑草等)を切り払ったりなんだりと何かと刃物が必要になることがあるので、せっかくならビクトリノックスではなくてナタを持とうかなという流れで。
(ビクトリノックスもあると便利だけど!)



そうして先輩から受け継いだ西山商会製のナタを力任せに使っていたら…ご覧の通り刃がボロボロになってしまいました。


山師として刃物を使うのであれば研げるようにもならないといけません!

とは言うものの、現代っ子の自分はせいぜい貝印のダイヤモンドシャープナー(めっちゃ使いやすい!)ぐらいしか使ったことがないのでまずは情報収集。

先輩に聞いたり、本を読んだり、ネットで調べたり。

生きてきた中でこういった技術を教わることはありませんでしたが、いろいろな地方や人の情報を昔よりも比較的簡単に集められることが現代っ子の強みでしょうか。
もちろん、様々な情報があるのであれこれ試してみて自分の環境に合った技術や道具を選択する必要はあります。


まぁ悩んでいても仕方がないのでとりあえずチャレンジ!

現場では携帯型の小さな砥石で研ぐ方法もあるようですが、今回は急ぎでもないので大きめの砥石で雨の日にじっくり研いでみました。



結果…!

正直お見せできるほどの仕上がりではありませんが、欠けていた部分はなくなりました。
「全体が均一になるように」というシンプルなことが非常に難しいです。

今使っている片刃のナタは研ぐ練習にも向いているとのことなので、今後しばらくは試行錯誤が続きそうです。

2014年6月4日水曜日

森をつなぐ存在、菌

先日、現場へ行く道にこんな植物がありました。

真っ白なちょっと異様な見た目ですがこれもれっきとした植物。名前はギンリョウソウ(銀竜草)。葉緑体を持たないため真っ白な見た目となっています。普通植物は光合成をおこない栄養を作り出しますがギンリョウソウは光合成を行わず別の方法で栄養を得て生きています。その方法は?その答えは菌。
ギンリョウソウは地中の菌に寄生しそこから栄養を吸い取り成長しているといわれています。こういった植物は腐生植物と呼ばれています。菌に対して何かしらの見返りを与えているのかもしれませんが今のところ確認はできていないようなのでニート植物と言っていいでしょうw
そして面白いのはここから。このニートソウ、ギンリョウソウが寄生している菌ですが、この菌は植物の根とタッグを組み、互いに栄養を与え補完し合う関係を形成しています。こういった植物の根と菌が共生したものを”菌根”と呼び、菌根を形成する菌を”菌根菌”といいます。上から読んでも下から読んでも菌根菌...

もう少し詳しくお話ししますと、菌根菌は樹木が光合成で合成した炭水化物を受け取り、それを糧に菌糸を伸ばし、植物の根の代わりとなって水分やミネラルの吸収を補うという共生関係をつくります。植物にとって菌根菌の存在は大きく、一説によると光合成で生産した化合物の最大30%を菌根菌に振り分けているとも言われています。
やせ地に強い”肥料木”などと言われているようなヤマモモなどの植物、乾燥した場所に強いといわれるおなじみのヒノキなど、その特性は菌根菌に由来するところが大きいようです。

そしてこの菌根菌は菌根菌どうしでもつながり、ネットワークを築いていると言われています。これが何を意味するかというと、一つ一つ独立して立っている木が実は地中で菌によりつながり栄養供給のネットワークを形成している可能性があるということです!

具体例を出しますと、大きな樹木とその木の稚樹が菌根菌ネットワークでつながっていれば光が当たらない環境にいる稚樹にかわり大きな樹木がその稚樹の菌根菌への給料(炭水化物)の支払いを肩代わりしたり、もしくは直接菌糸を通して炭水化物を稚樹に送っているという可能性があるわけです。
しかもこのネットワークが同種の樹種に限らないようで、そうなるとこういったやり取りが森全体で起きている可能性も否定できません。

まだ憶測の域を出ませんが、森が地中で”菌”というつながり一つになり共生関係を築いているとしたら、、、、ほんと森はロマンに満ちていますね!                                           
ナベ