2015年3月27日金曜日

防護具テストVol.2 脚絆(スネ当て)

重くてかさばる鉄板入り脚絆よ、きみはスネを守ってくれるのかい!?
*脚絆:スネに巻く装具

安全のためには着けてはいますが、重いし歩きづらいので、実際どれだけ守ってくれるのか、ちょっと試してみました。エンジンフルスロットル!目立て直後!キックバック!
それでも守ってくれるならもう何も言うことはない!

・2月26日に実施した防護具テストVol.2 「脚絆(スネ当て)」です。
脚絆3種(普通、ピアノ線入り、鉄板入り)に、刈払機(チップソー)、刈払機(笹刈り刃)、小型チェンソーを当ててみました。
刈払機を使う時は、防護具として、鉄板入り脚絆を装備します。
チェンソーは基本的に足元で操作しないので、あまり関係ありませんが、興味本位で、ピアノ線入り脚絆に当ててみました。
動画3本あります。

・機械等概要
脚絆:直径約10センチの木に巻きつけて、裏をビスで固定
刈り払い機:排気量26cc
小型チェンソー:排気量27cc
刃は目立て済み

・動画1つ目は、脚絆3種 × 刈払機(チップソー)です。




・動画2つ目は、脚絆3種 × 刈払機(笹刈刃)です。
脚絆は1つ目のテストで用いたものをそのまま使っています。




・動画3つ目は、脚絆2種 × 軽量トップハンドルソーです。



・以下はテスト後の脚絆をアップで撮った写真です。

チップソーを普通脚絆に当てた結果です。
笹刈刃でも、小型チェンソーでも同じような結果です。


チップソーをピアノ線脚絆に当てた結果です。
笹刈刃でも、小型チェンソーでも同じような結果です。




チップソ―を鉄板入り脚絆に当てた結果です。
ざっくり穴が開きました。
笹刈刃を鉄板入り脚絆に当てた結果です。
貫通はしませんでした。
感想1、ピアノ線入り脚絆ほぼ意味ねー!
普通脚絆とピアノ線入り脚絆に違いは無く、エンジン物に対して防護性能はほぼありませんね。
フルスロットルで当てなくとも、雑木が切れる様に足も切れるでしょう。

感想2、鉄板頼もしい!
鉄板入りは重くて歩くの大変ですが、着ける価値あるようです。
当たり所がよければ、貫通せずに済むようですし。

感想3、とはいえ、横や後ろから当たった場合は防げない!
今回使った鉄板入り脚絆はすねの前の部分にのみ入っています。
横や後ろから当たった場合は想像に難くないです。
また今回はビスで固定しましたが、実際の使用時には固定は難しいです。たとえ鉄板部分に当たっても、最初の衝撃で回ってしまい意味をなさない可能性もあります。
加えて、私が使っている鉄板入り脚絆は歩いていると横を向いてしまっていることが多いです。

結論
「まえうしろ みぎもひだりも てっぱんを」

本当の結論
「当てないように十分に注意して刈払機を使用し、万一の時の為に、鉄板入り脚絆を欠かさずに着けておきましょう」です。


鉄板は意外と頼もしかったですね。でも今回の動画で一番印象深いのは、キックバックの威力(動画2つ目の最後)でした。刈払機使っている人に近づくのは自殺行為です。渋谷(林業1年目)




2015年3月24日火曜日

対決!木林士チェンソーNo.1決定戦 - GZ360EZ vs MS020


2月某日、木林士八王子事務所にずらりと並べられたチェンソーたち。
一体何が行われていたのかというと・・・

『第一回 木林士チェンソーNo.1決定戦』
を開催しました!!

木林士では普段、各メーカーのさまざまな種類のチェンソーを使っています。
そこで誰かがつぶやいた、

「○○と××って実際どっちがよく伐れるんだろうね」、と。

そんな一言からはじまったのがこの企画!トーナメント表はこちら!


 
初戦 「ZENOAH GZ360 vs STIHL MS020」

その前に簡単なルール説明です。
・試合はトーナメント方式で行います。
(中には「この組み合わせだったらあきらかにこっちが勝つでしょ」なんて部分もありますがご愛嬌)
・ソーチェンは全て新品で、目立てによる勝負への影響は心配ご無用。
・だから、チェンソー自体の性能比較ができる!はずが結局は扱う人の技術次第な面も?!
 
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【試合前コメント】

・ZENOAH GZ360EZ / 井上

2015年。木林士には、GZ360というチェンソーがある。

何年か前に15~20年生のヒノキの間伐で使えるチェンソーということで、サンナナ(G3711)より軽くて小排気量のチェンソーを探していました。
当時、GZ3500T(中国製)とは別に国内生産のGZ360というモデルが発売されることを聞いて、比較検討していたMS200より低価格で発売されたばかりの360を購入しましたが、、、。

実際コイツは大きく期待を裏切ってくれた。
まず吹き上がらない!振動がヤバい!軽いけど耐久性ない!14インチでもかったるい!
…まぁメーカーのうたい文句も「農家のセカンド機に!」みたいな感じだったと思うけど。

でもこういう機体にほど変に熱が入る私は「コイツある程度我慢して現場で使い込めば実は頑張れるんじゃねーか!?」と何日か現場で使ってみることに。
しかし3日後にはサンナナに12インチ!と言う結論に至り終了。って何の話だよ!

それからというものの360の出番はめっきり減り、新人の育成用(練習機)みたいな使われ方をされてきました。ボデーは割れ!チェーンカバーは裂け!それでも新人達の実力UPを陰で支えてくれた360。
今回チェンソー性能対決を行うにあたり試合相手に同排気量のスチールを当てたのは、MS200と迷っていた当時の自分にケリをつけるため!今こそ360の実力を見せるときなのだっ!!

負ける気がしねー。

・STIHL MS020 / ナベ

過去にスチール社が日本向けに企画、設計したプロ用小型チェンソーで爆発的にヒットしたと言われているMS020。現在発売されているMS200はこのMS020の後継機です。

実はこれ父が買ったものでして、10年以上前かな?使うことがなくなったので知人に譲ったそうです。が、結局譲られた先でもあまり使われることはなく、僕がこういう仕事をするということでその知人の方からまた返してもらったという経緯のあるチェンソーです。
なので、古いチェンソーではありますが使用時間はかなり少なめだと思われます。

そんなおじいちゃんチェンソーではありますが、これでも大ヒットしたプロ用チェンソー。
ホビーソーには負けられません!

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ということで…両者からコメントが出たところでいざ対決!!



※カメラ目線なのはカメラマンが審判も兼ねているためで、カメラ映りを気にしてではありません
 
【試合後コメント】

・ZENOAH GZ360EZ / 井上

かなりの余裕を持っての勝利!でしたが、まぁこれ以上の戦いで勝てる気はしない、、、。
今回の対決で感じたことは、道具は愛情たっぷりに育てましょうということ。

次の対戦相手はどいつだ!

・STIHL MS020 / ナベ

じ、実戦投入しているかしていないかの違いですね。
使い込んでいけばこいつのエンジンはまだまだ回りますよ。
まだこの段階では勝ちとか負けとか決める必要はないと思うな…うん。

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そんなこんなで終えた第1戦目。
次回も期待です!




2015年3月12日木曜日

2月26日防護具テスト

キリンジに勤め始めて早半年、常に疑問に思っていたことがある。

タブーなのかもしれないがもう、避けては通れない。なぜなら疑問に感じてしまったからだ!

防護具たちよ、君らはほんとに守ってくれるんか!?

2月26日防護具テスト

最近木林士の正社員になりました渋谷です。 先月の末頃に、防護具のテストを社内で実施しま した。 東京都農林水産振興財団の方と、東京都森林組合連合会の方も見に来て下さいました。 順次動画等もあげていきますので、 ”あれにもこれ当ててみたら?”等のご意見やご感 想等ありましたら、是非お寄せ下さい。

コンセプトは、 「防護具は万一の時のためって分かってるけど、 本当に万一の時は、実際どのくらい守ってくれますか?」です。

テストとは言ってもそんな厳密なものではなく、内容は、
切創防止手袋や鉄心足袋等の防護具に、 ナタ、チェンソー、刈払機等の林業で使う刃物を実 際に当ててみるというものです。
条件がそろうように、ナタ等は普段使うように、 エンジン物はフルスロットルで当てるようにしまし た。 *それでも、実際の当て具合は当てた人(井上)次 第です。

下記は安全帯にナタと軽量チェンソーを当てた動画で す。





チェンソー:排気量26.3cc(林業で使う中では小型)
安全帯:重さ約18kgのオイル缶を吊るしています。

木林士では枝打ちの際に、 樹上で安全帯をつけながら小型チェンソーを使いま す。 その状況をイメージした実験です。

枝打ち

結果、ナタは、縄の部分と中心のワイヤーの素線が数本切れました。 チェンソーは、縄の部分全周と、ワイヤーの素線が約20本切れました。

切れて落ちることは無かったので、すこしだけ安心できました。 ただ、ワイヤー部分があっさり切れてしまうことは 忘れられません。


ナタ                   チェンソー

他の防護具等も順次あげていきますので、 ご意見やご感想等ありましたら、お寄せ頂けたらありがたいです!